人と心理とナンパと催眠

見たこと、聴いたこと、感じたことをありのままに書いてます

セックスをするということ

先日、すごくいい本を読んだのでぜひ紹介させて頂きたいと思う。

 

つながる

つながる

 

 

 

AV監督である、代々木忠さんの作品。
代々木さんは、本当のオーガズムと、オーガズムを経験することによる人の変化について研究されている方である。

実は僕も失礼ながら最近まで代々木さんのことを知らなかったのだけど、ライターの小野美由紀さんのブログでこの本の存在を知って読むことになった。
正直、今までの人生でこれほど心に響き、打たれた本は初めてだと思う。
(ただ単に、僕の感性が未熟なのもあると思うけれど)

この本の中で代々木監督は、セックスと愛の関係性について本気で考え、述べている。


かくいう僕は、セックスが好きである。
性に対する欲求も恐らく人一倍強いと思っている。
僕は、人生で初めてセックスをした女性と5年間ほどお付き合いをしていたことがある。

当時、僕は彼女に依存していたし、彼女もまた異常なくらい僕に依存していた。
僕は、そんな彼女と初めてセックスをするとなった時に、男性なら誰もが経験あると思うが、インターネットでセックスについての知識を集め始めた。
その際に初めて見つけたサイトを使って僕はセックスについて勉強し始めたのだが、そのサイトには巷によくある「セックステクニック」についてはほとんど触れられていなかった。

その代わりに、女性の身体のしくみや、セックスをする際の女性との心の交わし方、実際の悩み相談などといった事が述べられており、僕のセックス人生は「どれだけ女性を大切に扱えるか」という認識でスタートすることになった。
これは今でも本当に自分の中でよかったと思っている。

そして、その彼女とのセックスはすごく心のつながりがあり満たされている感じがしたし、お互いセックスについてすごく探究していた。その経験もあり、僕はセックスが本当に好きになれたのだと思う。
しかしそれが5年間続いていたが、それぞれ就職して環境や視点が変化した時、彼女が「まだこの人しか知らない」という気持ちを抱くことになり、話し合った末、少しして別れた。


ここから僕は彼女の身代わりを求めるかのように、SNSサイトや出会い系サイトにのめり込み、寂しさを埋めようとした。
この時期に、僕は埋まらない寂しさに支配され、サイトを通じて知り合った女性に「これでもか!」というくらいに振り回され、その関係が終わった後には、とてつもない疲労感、後悔、虚無感だけが残ったという経験をした。
もう何も考えたくない、しかし次から次へと湧いてくる女性と繋がりたいという欲求に襲われる。

こんな時、ふと出会ったのが「ナンパ」だった。

始めはあるブログを見つけ、読んでいくと"これまで全く女性から相手にされなかった男性が、ナンパと出会い、次々と美女とセックスをしていく。さらには、ナンパで培ったコミュニケーションで他の人生が何倍も楽しくなった"というような内容のブログだった。

僕は衝撃を受けた。
こんな世界が本当にあるのかと。
ブログの中の男性は女性に振り回されるどころか、多くの女性をトークや心理操作で虜にして振り回しているのだ。

それから僕は何かに憑りつかれたかのように、暇さえあれば街に立ってナンパをしていた。
仕事をしていても、友人と遊んでいても、家族といても考えることは「ナンパが上手くなるには」ということや「女性心理」についてばかりだった。
この頃から、僕は多くの女性と寝てきて、多いときは、週に5人の違う女性とデートすることもあった。

ただ、いくら違う女性とセックスを繰り返しても寂しさは埋まらない。
それどころか、一人一人の女性との関係が希薄になり、セックスをしても充足感が得られないため、その孤独を埋めるべくまた別の女性を探し始める。
その繰り返しによって、孤独感、不安感は日に日に増すばかりだった。

この時の僕は、セックスによって女性と深くつながるという気持ちは心の深い部分に閉じ込めていたように思う。


この後、あることがきっかけで僕は自分と深く向き合うこととなり、自分のやっていた寂しさを埋めるためだけのナンパの無意味性に気づいた。
(これについてはまたいつか話せたらと思っているが。)

そして、自分の欲求のために追求していたことを何か他のものに向けられないか。
自分の経験に何か意味を持たせてあげられないかと。


そう思った時、「心理カウンセラー」という一つの灯火が僕の中に浮かんだのだ。


そして、今まで捨てることが怖くて脱げなかった「ナンパ師」という上着を脱ぎ捨てた時、
僕の中で何かが変わった気がした。
あれだけ僕を襲っていた寂しさが消え、「寂しさを埋めるためのセックス」に対する興味、魅力がスーッと引いて行くような感覚があった。
ただ、この「ナンパ師というものに対する依存」から抜けられたのは、正直言うと本当にここ最近の話だ。


そして、「ナンパへの探求」から、「カウンセラーへの探求」へと自分の中のベクトルが向いた時にこの本と出会った。
いや、恐らく"ナンパ師"というものにこのままずっと依存していたら、この本を読もうと思うことはなかったかもしれない。

この本は、自分が本当はセックスに何を求めているのかということを思い出させてくれた気がする。
前にも書いたが、ナンパを始めてから、その意識は心の深い部分に押し込んで隠してしまっていたし、そうすると、もう自分でも引っ張り出すことが出来なくなってしまっていた。
そのセックスへの意識をこの本は引き出してくれた。

代々木監督の作品は、この本を読んでから初めて観たのだけど、オナニーするためだけにビジュアル重視で作られた他のAVとは180度異なっている。
どこかカウンセリングのようだし、1本の大作映画を観たような不思議な気持ちにさせてくれる作品である。


日本人は、セックスや性に対して"恥ずかしいもの"や、"隠さないといけないもの"という風に思ってしまっている風潮がある。
そのため、変なハマり方をすると依存的な中毒のようになってしまったり、心のないただのカラミをするようになってしまう。

本来セックスとは、そうあるべきものではないのだ。
小手先のテクニックは必要ない。
しっかり相手の目を見て、感覚を研ぎ澄ませて肌に触れる。相手が何を考えているか、感じているのかを知ろうとする。
人間には元々そういう能力が備わっているもの。

そうして心と心がつながった時、本当のオーガズムは生まれる。

この本はそのことを教えてくれる。


僕は自信を持っておすすめするので、何かに悩んでいる方、そうでない方も一度この本を手に取ってみると、きっと何かが変わるかもしれない。

 

・週刊代々木忠

・女性のための愛と性の相談室 by 代々木忠

 

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